ElementorでCV率を上げる3つの設定【ノーコード改善テク】

導入:ノーコード時代のコンバージョン最適化
WordPressでWebページを構築する際、多くのユーザーが活用しているビジュアルビルダー「Elementor」。その操作性の高さから、コーディングなしで洗練されたデザインが可能になる一方、見た目だけに偏ると、成果(CV=コンバージョン)に繋がらないという課題も浮上しています。
本記事では、Elementorを使ったWebサイトにおいて、特別な開発スキルなしでも実施可能な「CV率を高めるための3つの設定」について解説します。いずれもプラグインや外部ツールに頼らず、Elementor標準機能のみで実現可能な施策です。
1. CTAの「視認性」を上げる:スクロール固定ボタンの設定
なぜ重要か?
CV率(コンバージョン率)を左右する要素の一つが、CTA(Call To Action)ボタンの視認性です。ユーザーが問い合わせや購入といった行動を起こすためには、「いつでもすぐに押せる」状態が望まれます。
Elementorでの設定方法
- CTAボタンを設置するセクションに「Motion Effects(モーションエフェクト)」を設定
- 「Sticky(固定表示)」の項目を「Top」にし、「モバイル」も有効化
- 背景に半透明やシャドウを加え、視認性と可読性を調整
補足
GoogleのUXガイドラインでは、「インタラクションの即時性」がCV向上に寄与すると指摘されています。固定CTAにより、迷わず行動へ移せる導線を整えることが可能になります。
2. フォームの項目を絞る:「最小入力+多段階フォーム」の活用
なぜ重要か?
HubSpotが2022年に発表した統計によると、入力項目が多いフォームほど離脱率が高まる傾向にあることが明らかにされています。CV率を高めるためには、ユーザーの負担を最小限に抑える工夫が必要です。
Elementorでの設定方法(Pro版)
- フォームウィジェットを使用し、最初のステップに「名前・メールアドレス」のみ設定
- ステップ2に「任意の質問や詳細項目」を設置
- 「マルチステップフォーム」機能で段階的に表示
- 完了メッセージや自動リダイレクトで完了感を強調
補足
ユーザーは「とりあえず送る」心理状態を作ることで、離脱せずCV完了まで進む確率が高まります。多段階化は、マーケティングでいう「マイクロコンバージョン」を積み重ねる設計として有効です。
3. モバイルでの最適表示:セクション単位の非表示設定
なぜ重要か?
総務省の『情報通信白書(2023年)』によると、インターネット利用の約7割がスマートフォンからのアクセスと報告されています。にもかかわらず、PC設計のままモバイルに最適化されていないページは少なくありません。
Elementorでの設定方法
- モバイル編集ビューに切り替え
- 読み飛ばされやすい画像や装飾セクションを選択
- 「高度な設定」→「レスポンシブ」→「モバイルで非表示」をON
- 逆に、モバイル限定で「縦積みCTA」「電話ボタン」などを追加
補足
「モバイルファースト」の考え方に基づき、重要な情報のみをシンプルに提示する設計が求められます。これはユーザビリティだけでなく、ページ読み込み速度=離脱率の低下にもつながります。
まとめ:ノーコードでも成果に直結する改善は可能
Elementorを用いたWeb制作は、手軽に美しいサイトを構築できる反面、「成果を出す構造」に対する意識が不足しがちです。今回紹介した3つの設定は、いずれも**ノーコードでありながら、実証的にCV率に影響を与えるとされる施策**です。
- CTAの視認性を高める「スクロール固定」
- 離脱を防ぐ「多段階フォーム」
- 読みやすさを保つ「モバイル限定表示」
Webサイトの成果は、見た目ではなく「使いやすさ」と「分かりやすさ」で決まります。Elementorユーザーであっても、戦略的に設計すれば、専門知識がなくとも成果を高めることは十分に可能です。