自作で集客できない“ありがちな構成”とは?

はじめに:「自分で作ったのに集客できない」その理由
今やWordPressやWix、STUDIOなどを使えば、誰でも簡単にホームページを作れる時代になりました。
「外注すると高いから自分で作った」「業者に頼らなくても十分」といった声も多く、実際に自作で公開されている中小企業や個人事業主のサイトは少なくありません。
しかし、いざ公開しても「まったく問い合わせが来ない」「アクセス数が伸びない」という悩みを抱える方が非常に多いのも事実です。
本記事では、自作ホームページで陥りがちな“構成の落とし穴”について、実例を交えながら詳しく解説します。
集客できない自作サイトの「ありがちな構成パターン」
トップページが「メニュー表」になっている
自作サイトでよく見られるのが、「トップページ=目次」になっているパターンです。
例えば以下のような構成:
- ・サービス紹介
- ・会社案内
- ・アクセス
- ・お問い合わせ
サービス説明に「USP(独自の強み)」がない
ありがちなのが「当社では丁寧に対応します」「高品質なサービスを提供しています」といった抽象的で誰にでも言える言葉だけを並べているケース。
競合と比べて何が違うのか、なぜその価格なのか、どんな顧客に最適なのかといった情報が欠けていると、ユーザーは判断できません。
「問い合わせまでの導線」が弱い
せっかくサービス内容に興味を持ってもらっても、「お問い合わせ」へのリンクがページ最下部にしかない、あるいは目立たないデザインになっている場合、ユーザーが離脱してしまう可能性が高まります。
導線設計は「どこで・何を・どう促すか」が鍵になります。
「自己紹介」が長すぎる
トップページや会社紹介ページで、自分の経歴や想いを長文で綴っているケースもよく見られます。
もちろんストーリーは大切ですが、最初に来るべきは「ユーザーの悩みとその解決策」です。
初対面のユーザーは、いきなり創業者の想いや過去の苦労話に共感する前に、「ここは自分に関係あるサイトなのか?」を判断しようとします。
検索エンジンに嫌われる「構成とコンテンツの共通点」
テキストが少なく、画像中心の構成
「見た目を重視して画像で構成した」というサイトほど、Googleには評価されにくい傾向があります。
特に、画像内に文字があるだけで、本文テキストが極端に少ない場合、検索エンジンはコンテンツの価値を判断できません。
ページ構造がフラットすぎてSEOに弱い
トップページと下層ページがすべて横並びに存在し、階層構造がないままリンクされているケースも要注意です。
Googleは階層的な構造(トップ>カテゴリ>詳細)があると情報の意味を理解しやすく、内部リンクの最適化にもつながります。
キーワードが意識されていない
検索されるキーワードを想定せずに、タイトルや見出しを「なんとなく」つけてしまうと、検索結果に表示されにくくなります。
たとえば「こだわりの技術」といった表現よりも、「住宅リフォーム 東京 安い」など検索意図を意識した言葉選びが必要です。
自作だからこそできる「改善の第一歩」
構成の目的を「会社都合」から「ユーザー視点」に変える
「まず会社紹介」「次にサービス案内」という構成は、“会社側の都合”です。
一方ユーザーは、「このサービスは自分に役立つか?」「どのくらいの価格でやってくれるのか?」を知りたがっています。
構成は「ユーザーの行動シナリオに沿って設計する」のが正解です。
サービスごとに専用ページを用意する
1ページで複数サービスを紹介すると、検索にもユーザーにもわかりづらくなります。
サービスA、サービスBがあるなら、それぞれに専用の下層ページをつくり、URLや見出しにもキーワードを反映させましょう。
CTA(行動喚起)を明確に設置する
すべてのページに「お問い合わせはこちら」だけでは弱い場合もあります。
「まずは無料相談」「サンプル資料をダウンロード」など、段階的なCTAの設計が、離脱を防ぐ鍵になります。
事例で見る「構成改善後の変化」
事例1:製造業A社のサイトリニューアル
元は「トップページにすべて詰め込む構成」だったが、サービス別ページ+導線設計の見直しを実施。
結果、公開後3か月で資料請求数が月3件→12件に増加。
事例2:士業B社のSEO改善
「税理士サービス」ページに「節税相談」「法人設立」などの関連ページを追加。
それぞれに特化した情報とCTAを配置し、検索流入が半年で2.5倍に。
事例3:飲食業C店のLP型構成
従来の多ページ構成から、店舗紹介+メニュー+予約導線を1ページに集約したLP型に変更。
スマホ対応の改善も同時に行い、予約数が1.8倍に増加。
まとめ:「作ること」より「構成」がすべて
ホームページを“自分で作れる”ことは大きな武器です。
ただし、「作れたから成功する」わけではありません。
集客というゴールを達成するには、「何を、誰に、どう届けるか」という構成設計がすべての鍵になります。
ありがちな構成で集客に失敗していると感じたら、次の3つを見直しましょう:
- トップページの役割と訴求内容
- サービスごとの導線設計
- ユーザーの検索意図を意識した構成
それでも難しいと感じたら、「構成設計だけプロに相談」するのも選択肢のひとつです。
無理に全部自作するより、成果が出る構成を一度きちんと設計し、そこから“育てていく”方が、最終的にはコストパフォーマンスが高くなります。