見た目だけ作って中身が空っぽに…

はじめに:「見た目はいいけど効果が出ない」Webサイトの正体
プロに頼んでおしゃれなデザインに仕上がった。テンプレートを使って美しいトップページが完成した。
それでも、まったく問い合わせが来ない。アクセスも伸びない。
こうした「見た目は整っているが、中身が空っぽ」なWebサイトは、実は非常に多く存在します。
この記事では、なぜ「デザイン重視」のサイトが成果に結びつかないのかを、構成・コンテンツ・ユーザー動線の観点から分析し、改善のための実践的なヒントをご紹介します。
「見た目重視」でよくある構成の失敗
美しいだけの“装飾ページ”
背景動画やグラデーション、スクロール演出など、見栄えにこだわったデザインは目を引きます。
しかし、「どこを押せばいいのか」「何のサービスなのか」が直感的に分からないと、ユーザーは数秒で離脱してしまいます。
見た目に予算を使いすぎて、情報設計(UI/UX)が後回しになっているケースは非常に多いのです。
トップページが“ポスター”になっている
美しいビジュアルとキャッチコピーが並ぶトップページ。
しかしそれだけでは、ユーザーの疑問や課題を解決する導線にはなっていません。
「次にどこを見るべきか」「サービスの詳細はどこか」が分からなければ、せっかく訪問しても何も得られずに終わります。
中身が「会社紹介とサービス紹介」だけ
自社のことを知ってほしいという思いから、会社概要や沿革、理念を丁寧に掲載しているサイトは多いですが、ユーザーは“自分の悩みが解決するか”を見に来ているのです。
自社の話が中心では、ユーザーにとっての“価値”が伝わらないのです。
中身がないサイトに共通する問題点
コンテンツが“言葉の装飾”だけ
「高品質」「スピーディー」「丁寧な対応」など、他社と差別化できない抽象的な表現が並んでいるだけでは、ユーザーの信頼は得られません。
具体的な事例、成果、数字、口コミなどがないと、中身が薄いと判断されてしまいます。
検索意図に応える情報がない
例えば「○○ 地域名 業種名」で検索して訪れたユーザーが、自分に関係ある情報を見つけられなければ即離脱します。
検索されやすいキーワードに応じて、コンテンツを最適化していないと、どれだけ見た目が良くても効果は出ません。
更新されないまま放置されている
立ち上げた直後のまま、数年間まったく更新されていないサイトも珍しくありません。
こうした「放置されたサイト」は、Googleにも評価されず、ユーザーにも信頼されないのです。
「デザインだけ」にならないためにやるべきこと
ファーストビューで「誰向け・何を提供」が明確に
最初に表示される領域に、「誰に」「何を」「どう提供しているか」が分かるキャッチとビジュアルを配置しましょう。
例:「○○エリアでの外壁塗装なら、見積無料&最短3日対応」
コンテンツの柱を3つ用意する
以下の3つは必ず構成に組み込みましょう:
- サービスの具体的な特徴
- 実績や事例
- 利用の流れ・料金
「ユーザーの声」や「よくある質問」を設置する
実際の利用者の声は、見た目以上に大きな信頼を生みます。
また、「よくある質問」で不安や疑問に先回りして答えることで、CV率(問い合わせ・申込)にも大きく貢献します。
事例で見る「中身強化」で成果が出た改善例
事例1:美容サロンのLP改善
デザインを重視しすぎて説明がほぼなかったLPを、施術メニューの詳細やFAQを追加した結果、予約数が月5件→月20件に増加。
事例2:士業の事務所サイト
「堅実なデザイン」に満足していたが、アクセスがほぼゼロ。
ブログで節税情報を発信+事例ページ追加で、検索流入が半年で5倍に。
事例3:製造業の企業サイト
古いデザインを維持しつつ、導入事例とPDF資料ダウンロード機能を追加したことで、月1件だった問い合わせが月8件に。
検索エンジンに好かれるコンテンツの条件
ユーザーが「知りたいこと」を書いているか
Googleは“ユーザーの検索意図”に合ったページを評価します。
ターゲットが本当に知りたい情報を文章でしっかり届けることが、SEO上でもっとも重要です。
定期的な更新と情報の信頼性
古い情報が放置されていると、Googleは評価を下げます。
月1回でもよいので、実績やお知らせ、事例紹介などを更新しましょう。
独自性と具体性
競合サイトのコピーや、テンプレート的な表現だけでは評価されません。
「自社ならでは」の取り組みや事例をしっかり伝えることで、他と差別化できます。
まとめ:「伝える中身」がなければ、成果は生まれない
デザインは確かに大切です。しかし、それはあくまで入り口。
ユーザーが求めているのは、「信頼できる情報」「課題解決のヒント」「申し込む理由」です。
ホームページで成果を出すには、次の3点が不可欠です:
- 見た目と同等かそれ以上に、中身(コンテンツ)に力を入れる
- 誰向けのサイトかを明確にする
- 検索意図に合致した情報構成を徹底する
装飾ではなく、本質的な「価値ある中身」があるかどうか。
その視点で、自社サイトをいま一度見直してみてください。