フリーランスに丸投げして後悔した5つのこと

はじめに:なぜフリーランスに“丸投げ”してしまうのか
「予算が限られている」「制作会社は高すぎる」「知人に紹介されたから」――。こうした理由から、ホームページ制作やWeb業務をフリーランスに“丸投げ”してしまうケースは少なくありません。
しかし、依頼の仕方を間違えると、想像以上に大きな“後悔”を生むことになります。
この記事では、実際に中小企業が経験した「フリーランス依頼で失敗した5つのこと」をもとに、トラブルを避けるための考え方を解説します。
1. 「安く頼める」は思い込みだった
フリーランスは企業に比べて人件費や営業経費が抑えられるため、“安く済む”という印象を持たれがちです。
しかし実際には、以下のような事例が多く見られます:
- 当初の見積もりは10万円 → 修正や機能追加で最終的に30万円に
- 「写真はこちらでご用意ください」と言われ、別途カメラマン費用が発生
- 「納期を守ってもらえず、集客のタイミングを逃した」
価格だけで依頼先を選んだ結果、かえって高くついたという声は少なくありません。
2. 修正対応で“言った言わない”のトラブルに
企業とフリーランスの間では、業務範囲や修正回数の合意があいまいになりがちです。
以下のようなケースが典型です:
- 「これ、直しておいて」と依頼 →「追加料金がかかります」と返される
- 修正がなかなか進まず、社内リソースで代替対応
契約書や仕様書のないまま発注した結果、作業範囲がどこまでかが不明確になり、関係が悪化してしまうのです。
3. デザインが思っていたものと違う
フリーランスによっては、ヒアリングを十分に行わず、「こんなはずじゃなかった」というデザインを納品することもあります。
よくあるパターン:
- 打ち合わせはチャットのみで認識ズレが発生
- スマホで見づらいUI設計だった
- 競合との差別化ができていなかった
社内にWebディレクターがいない場合、チェックやフィードバックの体制も整っておらず、完成後にやり直しが発生することも。
4. 保守・更新の相談ができない
納品までは対応してくれても、その後の運用・更新には非対応というケースが意外と多いのがフリーランス。
以下のようなトラブルも:
- WordPressのセキュリティ更新がされず、脆弱性の放置
- 文章修正を依頼したが「対応できません」と断られる
- 数ヶ月後には連絡がつかなくなった
“作って終わり”ではないのがWebサイト。中長期的に支援できるパートナー選びが重要です。
5. ノウハウが社内に残らない
フリーランスに丸投げする場合、制作過程がブラックボックス化しやすいです。
よくある事例:
- 更新方法を教えてもらえず、簡単な修正も外注する羽目に
- 担当者が退職してしまい、サイトの運用が止まる
「安く、楽に済ませよう」と丸投げしてしまうと、結果的に“属人化”を生み、長期的には自社にとっての損失になることも。
フリーランスに依頼するなら気をつけるべきこと
① 仕様書・契約書は必ず作成
「何を、いつまでに、どこまでやるか」を明文化しておくことが、最も基本的かつ重要です。
② 実績や評判を第三者視点で確認
紹介やSNSだけではなく、過去の実績やポートフォリオ、クライアントの声もチェックしましょう。
③ 自社側に最低限の“ディレクション機能”を
丸投げではなく、目的・ターゲット・競合などの要件を自社で言語化し、ディレクションする姿勢が求められます。
④ 運用フェーズのサポート体制を確認
納品後の更新・保守・相談ができるか、長期的な関係を築けるかも重要な判断基準です。
まとめ:安易な外注が、長期的な損失に
フリーランスが悪いわけではありません。むしろ、優秀で信頼できる方も数多く存在します。
問題は、「安いから」「楽だから」といった理由で、適切な準備もせず丸投げしてしまう姿勢にあります。
Webサイトは一度作れば終わりではありません。更新し、改善し、成果に結びつけていくための“資産”です。
その資産を自社でコントロールできる体制を持てるか――これが、外注成功の分かれ目になります。