個人に頼んでスマホ対応されてなかった失敗談

はじめに:スマホ対応されていないサイトの代償
今やWebサイトの閲覧は、7割以上がスマホからといわれています。にもかかわらず、「スマホで崩れて見えない」「文字が小さすぎる」といったトラブルが後を絶ちません。
特に個人の制作者に安く外注した場合に多いのが、スマホ対応(レスポンシブ対応)がされていなかったという致命的な失敗です。
本記事では、実際に起きたスマホ未対応によるトラブル事例と、その根本原因、そして再発防止のポイントまでを詳しく解説していきます。
スマホ非対応だったことで起きた5つの失敗
1. ユーザーがすぐ離脱してしまう
「パソコンでは見えるのに、スマホで見ると文字が読めない」「スクロールしてもボタンが出てこない」など、UIの問題は直感的な離脱に直結します。
実際、ある飲食店のサイトでは、スマホ非対応によって平均滞在時間が5秒未満という深刻な数値を記録していました。
2. Google検索に出にくくなる
Googleは2021年以降「モバイルファーストインデックス」を導入しており、スマホでの表示を基準に検索順位を評価しています。
そのため、スマホで正しく見えないサイトは、自動的に「品質が低い」と判断され、順位が上がりません。
3. SNSや広告からの誘導がムダに
広告やInstagramからリンクをタップしても、画面がぐちゃぐちゃだとどうなるでしょう?
当然ながら、「この店、大丈夫かな?」という不信感に繋がります。
結果として、本来CVにつながるはずの誘導が水の泡になります。
4. 「業者に頼んだのに」と信頼を失う
たとえ相手が個人だとしても、発注者側としては「プロに頼んだ」という意識を持っています。にもかかわらずスマホ非対応で納品された場合、
「こんな基本もできてないのか」という大きな不満やクレームの原因になります。
5. 結局、修正費用がかさむ
スマホ非対応の修正は、HTML・CSSを全体的に見直す必要があり、当初の制作費以上のコストが発生するケースも少なくありません。
「安く作れた」はずが、最終的には割高になる――これは典型的な“安物買いの銭失い”です。
なぜ個人制作者に頼むとこうなるのか?
専門スキルの偏り
個人の制作者には、デザインに特化していてコーディングが苦手、あるいは静的なHTMLしか扱えない人も少なくありません。
その結果、「スマホ対応って別料金です」と言われることも。本来、現代では標準仕様のはずなのに…です。
チェック体制がない
企業であれば、納品前に複数人で動作確認を行います。しかし、個人制作の場合は基本的に一人。
スマホでの表示チェックがされていないまま納品された事例も少なくありません。
発注者との認識ズレ
「スマホ対応お願いします」と依頼していても、制作者側が理解していなかったり、納品後に「それはオプションです」と言われたり…。
最初に明確な合意がないまま進めてしまうと、トラブルの元になります。
トラブルを未然に防ぐには?
スマホでの表示確認を最初に依頼
依頼段階で「スマホで崩れずに見えるデザイン」「主要機種での動作確認込み」と明記しましょう。
契約書や見積書に「スマホ対応あり」と記載されているかも必ずチェックを。
実績をスマホで直接確認する
「この人に頼んで大丈夫かな?」と思ったら、過去実績のURLをもらい、必ずスマホで表示テストを行ってください。
スクロールできるか、文字サイズは適切か、実機で体験することが最も確実です。
WordPressやレスポンシブ対応済みテンプレートを使う
素のHTMLではなく、WordPress+モバイル対応テーマを使えば、基本的なレスポンシブは自動対応されます。
その上で、カスタマイズ部分だけを個人に依頼する方が安全です。
実例:スマホ非対応からの復旧と改善
飲食店サイト:非対応→月間来店2倍
スマホではボタンが押せない状態だった居酒屋サイト。リニューアルしてスマホ専用UIに変更。
Google Map連携と予約ボタンを改善したことで、月間予約が2倍になりました。
美容室:Google検索からの流入増
初期のサイトはスマホで文字が読みづらく、検索順位も低迷。レスポンシブ対応後、平均掲載順位が30位→8位に改善。
「スマホで見やすい」という口コミがSNSでも増加しました。
BtoB企業:資料請求率が1.6倍に
スマホ対応と同時にフォームの使いやすさも改善。
「問い合わせしやすくなった」という声とともに、CV率が大幅に向上しました。
まとめ:スマホ対応は“今や前提条件”
スマホ対応されていないWebサイトは、
- ユーザーに不親切
- 検索で評価されない
- 成果が出ない
という三重苦に陥ります。
個人に依頼する際は、「スマホ対応は当たり前」と思わず、明確に条件をすり合わせ、実機確認を欠かさないことが最重要です。
“見られること”がゴールであるWeb制作において、スマホで快適に閲覧できる設計は、まさにスタートライン。
安さや気軽さだけで判断せず、成果を出すための投資として、スマホ対応の重要性を再認識しましょう。