更新方法がわからず放置されるサイトへ

はじめに:なぜ「更新されないサイト」が生まれるのか
>せっかく時間と費用をかけてホームページを作っても、半年後には放置されたまま──。そんな企業や個人事業主のサイトが非常に多く見られます。
「情報が古い」「採用情報が何年も前のまま」「ブログが“準備中”で止まっている」……。
このようなサイトは、ユーザーに悪印象を与えるだけでなく、Googleの評価も下がるため、集客にも大きな悪影響を及ぼします。
本記事では、更新されないサイトが生まれる理由、よくある失敗パターン、そして継続的に運用できるための設計ポイントを紹介します。
更新されないまま放置される5つの理由
1. 管理画面に入れない
意外にも多いのが、「ログイン情報が分からない」「URLが不明」「制作者に聞けない」といった技術以前の問題。
その結果、ちょっとした修正すらできず、手をつけられなくなってしまうのです。
2. 更新のやり方が分からない
管理画面にログインできても、「どこをどう触ればいいのか」が分からないケース。
HTMLやCSSの知識を前提とした構成だと、「怖くて触れない」「壊しそうで不安」という心理的ハードルが生まれます。
3. 依頼した制作者が対応してくれない
フリーランスや知人に頼んでサイトを制作した場合、納品後のサポートがなくなることも珍しくありません。
「ちょっと直したい」と思っても連絡が取れず、何もできないまま時間だけが経過していきます。
4. コンテンツの作成が負担
ブログやお知らせを更新しようにも、文章を考えるのが面倒・写真を撮るのが手間と感じてしまうケースもあります。
結果として、手間のかからないSNSばかり更新され、Webサイトは放置される状態に。
5. そもそも更新する設計になっていない
デザインや構成が「1ページ完結型」になっていて、新しい情報を追加する場所がない。
つまり、更新を前提としていないサイト設計そのものが原因であることも多いのです。
更新されないことによる3つの大きな損失
1. 信頼性の低下
「2022年のお知らせが最新」となっているだけで、「この会社、ちゃんと運営されてるのかな?」という疑念を生みます。
特に初めての来訪者にとっては、最新情報が更新されていない=運営されていないと判断されるリスクがあります。
2. SEO評価の低下
Googleは「更新頻度が高いサイト」を優先的に評価する傾向にあります。
つまり、更新されていないサイトは自然と検索順位が下がっていくことになります。
3. 採用・問い合わせの機会損失
求職者が企業情報を調べるとき、最も参考にするのが自社サイトです。
情報が古かったり誤っていたりすると、「ここに応募して大丈夫?」という不安を与えてしまいます。
更新を前提とした設計のポイント
1. WordPressなどのCMSを活用する
テキストや画像を直感的に変更できるWordPressなどのCMS(コンテンツ管理システム)を導入すれば、更新のハードルが大幅に下がります。
プログラミング知識がなくても操作できる環境を整えることが、継続運用の第一歩です。
2. 更新パートを分かりやすく構造化
「お知らせ」「ブログ」「スタッフ紹介」など、更新が必要なパートは明確に分けておくと管理がしやすくなります。
「更新していい場所」と「触ってはいけない場所」を明確化しておくことも重要です。
3. 更新マニュアルの整備
「何をどうすればいいか」をスクリーンショット付きで解説したマニュアルがあれば、社内での引き継ぎや教育もスムーズになります。
制作時にマニュアルを依頼しておくと、後々のトラブル回避にもつながります。
4. 定期的なチェック体制を構築
毎月「サイト更新ミーティング」を設けるなど、定期的にサイトをチェックするルーチンを組み込むことが大切です。
「思い出したときにやる」ではなく、習慣化がカギとなります。
実例:更新の習慣化で成果を出した事例
中小製造業A社:月1回のブログ更新で受注増
それまで3年間放置されていたサイトに、月1ペースで技術記事のブログを投稿。
3ヶ月後には検索流入が20%増加し、展示会なしでも新規引き合いが発生しました。
学習塾B社:スタッフ紹介を更新して問い合わせ2倍
スタッフの入れ替わりが多いにもかかわらず、古いまま放置されていた塾のサイト。
プロフィールや紹介コメントを定期的に更新するようにしたところ、「先生の雰囲気が分かる」という保護者の声が増加しました。
医療法人C:採用ページの定期更新で応募数UP
年1回、若手スタッフのインタビューを追加する運用を継続。
その結果、「サイトで雰囲気が分かったから応募した」という求職者が倍増しました。
まとめ:更新しやすい仕組みが“継続”を生む
- 更新が難しいサイトは、必ず放置される
- 放置されたサイトは、信頼も成果も失う
- 「誰でも」「簡単に」「継続的に」更新できる設計が必要
Webサイトは作って終わりではなく、育てていくものです。
更新を“面倒”にするか“習慣”にするかで、成果は大きく変わります。
もし、すでに更新が止まっている場合は、「なぜ止まったのか」を棚卸しし、今後に活かせる仕組みへと改善していきましょう。