自作のサイトは「誰にも見られていなかった」

はじめに:「誰にも見られていない」自作サイトの悲劇
「ホームページを作ったのに、全くアクセスがない」。
それは、見た目が悪いからでも、内容が薄いからでもありません。そもそも“誰にも存在を知られていない”からです。
本記事では、自作でホームページを立ち上げたものの、集客や問合せにまったく繋がらなかった実例と、原因・対策を徹底的に解説します。
アクセスがゼロだった現実
公開しても誰にも届いていなかった
「これで公開完了!」と意気込んでサイトをアップしたAさん(士業事務所代表)は、半年後に愕然とします。
問い合わせフォームはおろか、アクセス解析を見ても訪問者が月に1人もいない。自分自身で確認した以外のアクセスはほぼゼロでした。
検索しても出てこない
サイト名やサービス名で検索しても、検索結果にすら出てこない。
「SEOの設定?」「インデックス登録って?」──基本的な仕組みを知らずに公開していたことに、後から気づいたのです。
なぜ“誰にも見られないサイト”になってしまうのか
検索に出ない「構造不備」
多くの自作サイトに共通するのは、Googleに正しく認識されない構造です。
例えば以下のような状態がよく見られます。
- meta情報が空白(タイトル・ディスクリプションなし)
- Google Search Console未登録
- noindex設定のまま公開
- パンくずや内部リンクがなく、クローラが巡回しづらい
SNSや外部リンクが皆無
せっかくサイトを公開しても、そのURLを誰にもシェアしていなければ、存在を知る手段がありません。
検索にも出ず、SNSでも紹介されなければ、完全な“孤島”のような状態になってしまいます。
実例:B社の失敗とやり直し
公開後3か月、問合せゼロ
地方の建設会社B社は、代表が自ら作ったWixのサイトを運用していましたが、Googleで検索しても社名すら出てこない状態。
SEOどころかGoogleマップへの登録すらしていなかったのです。
プロによる再構築で劇的改善
その後、制作会社に依頼し、次のような改善を行いました。
- Googleビジネスプロフィールの整備
- WordPressによる構造化されたサイト構築
- Search Consoleとアナリティクス導入
- 主要ページにキーワードと地域名を配置
誰にも見られないサイトを脱するには?
まずは「認知される」ための施策を
アクセスがゼロというのは、「知られていない」ことが最大の問題です。
まずは次の施策を実行しましょう。
- Google Search Consoleへの登録
- Googleビジネスプロフィールへの反映
- X(旧Twitter)、InstagramなどでURLを紹介
- 既存顧客・知人への告知
内部SEOの基礎設定を
最低限必要なSEO設定を怠っているケースがほとんどです。
特に以下の設定は必須です。
- 全ページのmeta titleとdescription
- ページごとの見出し構成(h1→h2→h3)
- noindex/noarchiveタグの見直し
- 画像altやリンク設定の整理
「誰も見ていない」の可視化とチェック方法
アナリティクスとSearch Consoleの使い方
ツールを導入することで、「本当に見られているか」「どこから来たか」「どこで離脱しているか」がわかります。
- Googleアナリティクス:訪問者数や滞在時間、アクセス元など
- Search Console:検索キーワード、表示順位、クリック率
チェックすべき3つのポイント
1. インデックスされているか:「site:自社URL」で検索 2. 直帰率が高すぎないか:内容が合ってない可能性 3. 検索キーワードが「自社名」しかない:認知度頼みで発見されない
放置は信用失墜へ:自作ゆえのリスク
古く見えるサイトは不安感を与える
アクセスが少ないから更新もせず放置…その結果、訪問者に「やっているのか分からない会社」という印象を与えます。
特にBtoBでは信頼が第一。Web上での第一印象がすべてです。
Googleの評価も落ちる
更新されないサイト、リンクの少ないサイト、モバイル非対応のサイトは、検索順位がどんどん下がっていきます。
「自作=放置しがち」な構造が、悪循環を生むのです。
改善するために今すぐできる行動
チェックリスト
□ Googleで社名検索して出てくるか?
□ Search Consoleに登録しているか?
□ SNSでURLを共有しているか?
□ metaタグをページごとに設定しているか?
□ スマホで見やすくなっているか?
□ 定期的に内容を更新しているか?
“誰かに見られる”を前提とした設計へ
Webサイトは「ただ作ればいい」ものではありません。
「見られる」「探される」「信頼される」ことを前提にした設計があって、初めて成果に繋がります。
まとめ:「自作でも“見られる設計”が不可欠
自作サイトでも、正しく設計・発信・運用すれば成果に繋がります。
しかし、「作っただけ」では誰の目にも触れず、存在しないのと同じです。
見られないサイトを脱するには、まず“知られる努力”と“整った構造”が必要です。