トップページしか作ってもらえなかった失敗
はじめに：「トップページだけ」で終わってしまったサイト
Webサイト制作を外注したものの、「なぜかトップページしか作ってもらえなかった」「完成したと聞いたけど中身がない」といったトラブルが後を絶ちません。
特に格安制作やフリーランスへの発注では、こうしたケースが起きやすく、完成後に気づいても手遅れになっていることも少なくないのです。
本記事では、トップページ“だけ”のサイトがなぜ問題なのか、なぜ起きてしまうのか、そしてどう対処すべきかを解説します。
なぜ「トップページしかない」状態になるのか？
①「1ページのみ」のプランだった
格安業者にありがちな「1ページ完結型」のプランに気づかず依頼していたケースです。
最初から“トップページのみ”で見積もられていたことに、納品後にようやく気づくこともあります。
② ページ構成の打ち合わせが不十分
業者との打ち合わせで「どのようなページが必要か」という話がなかった場合、制作者側が“とりあえずトップページ”だけ作って終了としてしまうことがあります。
③ 発注側が「ページ数」を把握していなかった
Webサイトには「会社概要」「事業内容」「お問い合わせ」など複数のページが必要です。
しかし、発注時に「何ページ必要か」を明確に伝えていなかったため、制作者側の解釈で最低限の1ページのみで納品されたという事例もあります。
トップページしかないと何が問題なのか
① ユーザーが情報を探せない
訪問者は企業の詳細、商品・サービスの説明、採用情報など具体的な情報を求めてサイトを訪れます。
トップページにすべてを詰め込むのは限界があり、読みづらさ・伝わらなさ・離脱につながります。
② SEO評価が低くなる
検索エンジンは各ページの内容を評価して順位を決定します。
下層ページがないということは、検索でヒットする機会が極端に減ることを意味します。
③ 更新や拡張が難しい
あとからサービスを追加したい、ブログを始めたいと思っても、「1ページ設計」では対応が難しく、大幅な作り直しが必要になることもあります。
よくある実例と失敗の声
「メニューはあるけど全部トップに飛ぶ」
一見ナビゲーションがあるが、クリックしてもページが切り替わらず、トップ内のアンカーに飛ぶだけという仕様。ユーザー体験が悪く、信頼性も損ないます。
「制作後に追加ページを頼んだら高額請求」
「サービス紹介ページを1つ追加したいだけなのに5万円以上かかると言われた」など、初期契約に下層ページが含まれていないことで想定外のコストが発生する例もあります。
「Googleマップも問い合わせフォームもなかった」
最低限あるべき情報すらなかったという失敗も。「ページを追加するには別料金」と言われ、事実上“未完成”のまま公開されているケースもあります。
防ぐために必要な確認ポイント
① 契約時に「ページ構成」を明記
トップページ＋会社情報＋事業内容＋お問い合わせ…と、具体的なページ名と構成を最初に確認することが重要です。
② サイトマップ（ページ一覧）を先に作る
Webサイトの設計は「構造」から。依頼前にどんな情報を載せるか・何ページ必要かを整理しましょう。
③ 見積もりに「ページ数」が含まれているか確認
制作費だけでなく、その中に何ページ分の作成が含まれているかを明記しているか確認してください。
トップページだけで完結しないための工夫
① 下層ページへの導線設計
「詳しくはこちら」ボタンや「続きを読む」リンクを適切に設置することで、ユーザーの動線を確保します。
② 下層ページはテンプレでも良いので用意
すべてをオリジナルにしなくても構いません。
最低限の構成で、訪問者が必要とする情報にアクセスできるようにすることが最優先です。
③ CMSを使い、自分で増やせる仕組みに
WordPressなどのCMSであれば、あとからページを増やす・修正するのも比較的容易です。
まとめ：「トップページだけ」ではWebサイトにならない
Webサイトとは、単なる1枚のページではなく、情報を階層的に構築し、ユーザーを導く「設計物」です。
トップページだけで完結させようとすれば、情報不足・信頼欠如・検索不利の三重苦に陥ります。
制作を依頼する際には、「何ページ構成にするか」「その中にどんな情報を含めるか」を丁寧に設計することが何より大切です。